叱るということ

昨日取材を受けた某雑誌の見本誌を読んでいたら「叱る」ことをテーマにした特集がありました。
最近減りつつある「叱って育てる」ことをあらためて見直そう、みたいな主旨だったのですが、その代表として松下電器の松下幸之助氏やイトーヨーカードーの鈴木敏文氏が紹介されていました。
確かに普段「叱る」「叱られる」シーンというのはあまり目にしなくなっている気がします。スパルタ教育的なものや体育会系的なものがあまり好ましくないものとする風潮が主流になっているのかも知れません。確かに度が過ぎたり、体罰を加えたり、感情だけで叱るのは良くないと思いますが、ときには「叱る」ことも必要なのだと思います。
私は自分が叱られた経験が少ないからか、基本的にあまり「叱る」ということはしません。特に仕事で失敗した場合には、相手は当然反省をしているだろうし、今度は同じ間違いをしないように注意するだろう、と考えるので同じことの繰り返しでない限りは注意を促す程度にとどめています。
しかしながら、こんな私も過去2回だけ部下を大剣幕で叱ったことがあります。
1回目は以前の会社にいたときの大卒の新入社員に対してだったのですが、彼が入社して間もなく私がコピーを指示したのに対して「こういう意味のない仕事は私のするべき仕事ではありません」と断ってきたときです。そのときは「自分は何様のつもりなんだ?会社はチームプレーで成り立っているものだし、地味な仕事だからといって馬鹿にしてはいけない!」と怒鳴りつけました。そのときは彼はすぐに担当役員にクレームを言って結局会社を辞めていきました。私は自分のやったことが間違っていないという自信はあったものの、会社がせっかく時間とコストを費やして採用した新しい戦力を失わせてしまったことにしばらく罪悪感を感じていました。
2回目はうちの会社が南大沢にオフィスがあったときです。その社員はとにかく会社の文句ばかりを言っていて、指示に反して勝手に自分で仕事を進める傾向があったのですが、周りへの悪影響も次第に大きくなってきたので、たまりかねた私が注意したことに対して屈辱的な捨てゼリフを吐いたので、すぐに会議室に呼び込み、大声で叱りました。私がそういう行動をすること自体初めてのことだったので、社員は驚いて聞き耳を立てていたようで、私の声がただでさえ大きいので、結局全員が知るところとなり、社内騒然となったことがあります。
今振り返ってみると、私は自己中心的な人や筋が通ってないことに対して叱るのだと思います。
叱って育てるか、誉めて育てるかは育てる側にもよると思いますが、育てられる人のタイプ(自己反省改善が可能かどうか)にもよるのかも知れません。ただ部下に対しての接し方が異なると、不公平感が出て贔屓とかにも見られかねないので難しいところです。
ちなみに、既述したコピー作業拒否で辞めていった新入社員は、某大手IT企業を経て独立して社長となりました。社長となってしばらくしてからメールがあり、「当時は自分が間違っていました。大変恥かしい限りです。
今は三浦さんがおっしゃっていたことを肌身で感じています」と書いてありました。それを見て、私は10年ぶりに胸を撫でおろすとともに、彼も成長したものだなと思っていたら、その会社は株式上場を果たしました。