(昨日より続き)それまでは、私1人で孤軍奮闘しており、英語や日本語が通じるパートナーと直接私がやり取りを行っていたのですが、張がジョインしてくれてから一気に営業の幅が広くなり、スピードもアップしました。私は通訳を雇わない主義だったので尚更のことです。
渉外は張がまず前線突破をしたうえで先方の責任者と私が会ってクロージング、社内は私が方針を決めて張がそれに基づいて現場をまとめていく、という機動力の高い二人三脚により、中国No.1のインスタントメッセンジャーQQを提供するテンセントをはじめ次々とパートナー契約が進み、毎月5個以上のペースでコンテンツを提供することができました。
うちの会社は前受こそあっても(中国企業から前受を取ること自体至難の業だと思います)まだ未回収がないのですが、これは中国ビジネスの常識からは考えにくいことであり、張を中心としたメンバーの営業努力の賜物です。
張は、ポイントを抑えるのが上手なので、私が気になっている部分を私が言う前に自主的に動いてくれるので本当に助かります。考えるより行動するタイプなので何か問題が起こると先送りにせずにすぐに電話を手に取っているのですが、これはなかなかできるものではありません。また、日本に居るときの彼からは全く想像できない営業トークと巧みな交渉術で、自分のペースでMTGを進めてこちらに有利な方向にもって行きます。時には私が「もういいよ」と言ってしまうぐらいに条件交渉では折れません。身内ながら大したものだと感心します。
うちの会社の中国展開は、2003年10月に現地事務所を、2004年6月には現地法人を設立と進展し、いよいよこれからという矢先に私が日本本社の代表を務めることになり、やむなく帰国するにいたりました。このとき、今度は私と張の間で、私が日本の成功のために、張が中国の成功のために頑張るという暗黙の役割分担が生まれました。以降張がCOOとして現地でオペレーションを行い、私が日本からバックアップする形となりました。
ただ、中国に常駐していたときのように頻繁にコミュニケーションは取れず、以前はその場でしていたジャッジが遅れがちになるなど、日本のビジネスの進め方を知っているとはいえ、やりにくい部分が多々あったのではないかと思います。
張にはもともと技術者という触れ込みで入ってもらったわけですが、いつの間にか技術者からビジネス開発(営業)に、そして今は社員数90名の経営を担ってもらっているわけですから分からないものです。張は経験は足りないものの、感が鋭くてバランス感覚も良いので、一番経営に向いている気がします。
1年以上の間、毎日二人で奮闘しながら苦楽を共にしていたので、上司・部下の関係を超えた信頼関係がある気がします。一方で外国人でありながらお互いに考えていることがすぐ分かるので、やりやすい面もやりにくい面もあります(笑)。
この3年間本当に色々ありましたが、張の人生の中でも最も変化があって、最も成長をした期間ではないかと思います。
彼も29歳になりだいぶ成長し、業界でも有名人になりつつあるので、今後どうなるかは分かりませんが、いつまでも同じ釜の飯の仲間で居たいものです。
今年の中国ビジネスは、今まで積み上げてきたものを開花させる年です。これから張が何をしでかしてくれるのか楽しみです。