上場企業ということ

うちの会社は大阪証券取引所のヘラクレスという市場へ上場しているわけですが、ここでは「上場企業とは何か?」というような難しい話ではなく、いち経営者として、あらためて感じていることを記したいと思います。
株式会社というのは、株主が取締役(経営陣)を選任し、経営を委任します。逆に言えば経営陣は株主から委任を受けて株主に代わって会社の経営を行います。
日本の場合には経営と執行が分離していないことも多いので、取締役が業務執行まで行うケースが多いと思いますが、執行役員制度を採用しているところでは、経営判断をしたり業務執行の監督をする取締役と業務を執行する執行役員を分けています。
未上場企業の場合には、経営者と株主(オーナー)は一致している場合が比較的多いと思うのですが、上場企業の場合にはそうでないケースが多いと思います。
オーナーと経営者が別れている場合、その経営者は世間では「雇われ社長」と言われたりします。例えば私は創業メンバーではありますが、上場まで株をほとんど持っていなかったこともあり、未だにマイノリティの株主なので、ある意味「雇われ社長」です。
こういったことは頭では分かっていたつもりなのですが、初めて実感したのは、前社長が退任して株を売却したいという話を聞いたときでした。前社長は自分のことも、ネットビレッジという会社のこともよく理解しているし、応援者でもあるけれど、私達や事業のことを何も知らない人に株が渡ったらどうなるのだろうか?とあらためて思ったのです。そのときの感情としては、自己防衛というよりも、清水の舞台から飛び降りる覚悟で再建を引き受けたのに、志半ばにして無駄になったら無念過ぎる・・・というものでした(幸いにしてそうはなりませんでしたが)。
それ以来、自分は株主から委任を受けて経営をしているのだ、という意識を更に強く持つようになりました。今回の社名変更なども、創業者意識ではやりにくいことかも知れません。
株式会社では大株主が変われば、経営陣も変わって当然だし、大株主が同じでも経営成績が悪ければ経営陣は変わることがあります。例えば先日ソフトバンクがボーダーフォンを買収しましたが、これによりボーダフォン経営陣は一新しました。ライブドアの場合は例の事件でやむなく経営陣のほとんどが辞任したわけですが、筆頭株主は堀江前社長であることには変わりありません。
取締役の任期は会社により異なりますが短くなる傾向にあり、うちの会社も昨年から1年にしました。ただこれは逆に言うと1年で結果を出さなくてはいけないということであり、中長期的な見地で考えにくいということもあるかも知れません。最近ポッカなどのようにMBOなどの手法で逆にGO PRIVATE(非上場化)をする動きも出てきていますが、これは敵対的買収対策のみならず、中長期的な視点で思い切った投資をやりやすくするという意味合いも含まれているのだと思います。
未上場の場合には、社長は経営というよりも技術や営業力などの特殊能力が重要かも知れませんが、上場企業の社長は経営のプロフェッショナルであることが求められるのだと思います。そういう意味では、自分の意識の上では、仮に他の会社の経営を任されてもきちんとこなせるような経営センスを身につけるため、自分自身も常に勉強・向上していかなくては・・・と思う今日この頃です。