出世意欲

某新聞に興味深い調査結果が載っていました。

日本、米国、中国、韓国それぞれ各国の高校生に対して、意欲に関する調査を行ったもので、これによると「日本の高校生は出世意欲が低い」ことが鮮明に表れたとのこと。

「偉くなりたいか」という質問に対して、「強くそう思う」と答えた高校生は中国で34.4%、韓国で22.9%、米国で22.3%だったのに対して、日本はわずか8.0%しか無かったそうです。
中国は実力があればのし上がれる時代なので分かるのですが、日本がその1/4しか居ないというのは残念です。

もっとも、今の世の中は価値観も様々ですし、偉くなること=大事なこと、ではありません。
ただ、一般的には偉くなれば権限が増えて、仕事の幅が広がり、結果報酬が上がって豊かな生活が送れる、と考えられないことはないので、偉くなりたいという人が減っていることは、意欲が低下していることの表れと見ることもできると思います。

また、卒業後の進路についての質問で「一流大学に進学したい」を選んだ生徒の割合も日本が最下位だったようです。

私が中国へ行って驚いたことの一つに、学生がとにかく熱心に勉強していることが挙げられます。
日本の学生生活とは全く異なり、寮生活を前提として大学や専門学校に入り、毎日勉強に明け暮れるのです。
この光景をみたとき、日本は将来中国に追い抜かれるのではないかという危機感を覚えました。

これには、いい大学を出れば、良い職業につけて、高い報酬をもらって良い生活ができる、という循環が出来ているからです。
つまり、勉強=出世=豊かな生活に直結しているのです。
日本の場合は、学歴社会・年功序列が崩壊し、大企業の一流サラリーマンでもリストラに会う時代で、そういった流れが無いからかも知れません。

よって、将来就きたい職業についても、日本は前回(99年)調査時よりも、弁護士や裁判官、大学教授、研究者の割合が低下し、特に公務員にいたっては前回の1/3以下まで落ち込んだようです。
税金の無駄遣いや小泉内閣時代の郵政の民営化などによる、公務員に対する不安の表れでしょうか?

これらを「個人差による多様化が進んでいる」とか「出世などよりも個人の能力向上が重視されてきている」と良く傾向と取れれば良いのですが、貪欲さやチャレンジ精神が無くなってきているとしたら、将来の日本が少し心配になりました。

もしかしたら、こういった意識、価値観の変化が、ニートの増殖を生んでいるのかも知れません。