朝令暮改

朝礼暮改・・・朝に出した命令を夕方にはもう改めること。つまり、言うことがコロコロ変わることを意味する言葉です。
私は以前この言葉に対しては悪いイメージしか無かったのですが、うちのK取締役の口癖(!?)の1つでもあり、最近この言葉の意味を深く考えるようになりました。(もっともこの場合は厳密な意味での朝令暮改)
私はこれまで一度決めたことを最後まで貫くことが大事だと思っていましたし、それをポリシーにもしてきました。今も基本的にはその考えは変わっていません。
逆に言うと一度決めたことを後になって持ち出す人を軽蔑さえしていました。
ただ、その決めるときに、正確かつ正しい結論・決断を出すために十分な情報が無いということもあるかも知れませんし、その後に状況が変化することもあり得るかと思います。つまり、物事を決める段階では、予期しなかった状況の変化や新しい事実・情報などを得たことによって、より良い解が生まれたときには、決定したことにこだわるよりも、より良い方を選んだ方が良いこともあるのではないか、ということです。もちろん、この場合にはルールとして先の議論に参加した全員の了承を取る、ということが前提があっての話ですが・・・。
一方、単に優柔不断で決めたことを後ですぐに変更したり、決めたことに賛成していなかった人が感情的になんとか自分の意見を押し通そうとする動きは、コンセンサスの不一致、誤解や混乱、時間の浪費、進行障害などを招き、全くマイナスでしかないと思います。
これらの違いは表向き分かりにくいところがありますが、実質的に前向きか後ろ向きかという大きな違いがあるので、この二つを履き違えないようにする必要があると思っています。
よく一般的に「社長の考えや意見がコロコロ変わるから何を考えているか分からない」とか「社長にはついていけない」という話を聞くことがありますが、以前は「そういう社長だと大変だろうな〜」と共感する部分が多かったのですが、もしかしたらその社長は優柔不断なのではなく、四六時中仕事のことを考えていて、その過程の中でよりベターなソリューションを発見している、ということもあるかも知れないと思うようになりました。経営者や上司はその時に得られている情報をもとにジャッジをしなくてはなりません。この情報の量や質は情報ルートや環境(例えば風通しが悪い会社は正確な情報が上がりにくいなど)によっても異なるし、その時々やシチュエーションによっても大分異なります。
事業戦略にしても、その戦略を立てるときの業界環境や競合状況などをもとに最適と思われる戦略を策定しているものであって、その後の前提条件の変化などに応じて時代に合わせて見直しをして最適化していくことは決して悪いことではないと思います。
昔の偉人の言葉で「良い方法が見つかって、以前のやり方を否定することは決して恥かしいことではない」という主旨の文句を聞いたことがあります。「初心貫徹」と環境順応」のバランスというのは最近私の中でのテーマもあります。