心理学は時として、相手の気持ちを理解したり、相手を自分の思うようにコントロールしたいときに使われたりしますが、自分自身を分析するために用いている人は少ないのではないでしょうか?
そんななか、自分というのを見つめることに視点をおいた本があったので読んでみました。
ただ、どちらかというと神経症の人を対象としたものでした。
といっても、現在の大人で神経症に陥っている人たちは非常に多いそうです。
小さい頃に、甘えや欲求を抑圧されてきた人、常に周りによく思われようと良い人でいなければならなかった人、そういう人たちは依存や不満が残っているのですが、大人になるとそういったものを表に出せなくなるため、それが相手方に投影されたりするらしいのです。
人に苛立ちを感じたり、周囲の人に不満を持ちがちな人は、本当は自分の欲求が満たされていないために、人にそれを求めてしまうそうです。
理由もなく不愉快になるのは、何か自分の欲求を自分が隠しているせい。
自分に失望している人ほど、他人に自分を尊敬してもらいたがるとか。
結果、「幼い頃やさしさに接しなかった人は、人の好意が分らなくなったり」、「心の底にある欲求の抑圧に気づいてしまうために他人の好意を素直に喜べない」ような状況になってしまう。
また、自分の世界をつくってしまって、そこに入ってこようという人を猛烈に排除したり、仕事や他のことに気を向けることで現実逃避をしてしまいがちになる。
成熟した人は、ものごとの達成よりも人と親密になれたときに気持ちが落ち着くんだそうです。
興味深いのは、「付き合っている相手が本当に好きなのか?」という部分です。
自分の逃げ道を提供してくれる人とか、自分の欲求を相手に投影した結果、好きだと思い込んでいる人が相当数いるとか。
また、人を好きになると嫌われないように奉仕しようとする人がいるが、それは逆効果だと書いてありました。
誰かを好きになるということは、その人の欠点まで好きになったわけではないし、欠点があるから嫌いになるわけではない。
好かれるということは、何もしてあげなくても相手は自分に満足している状態なのです。
一番大事なことは、自信は他人の評価から生まれるものではない、まずは自分を大切にすること。
依存や甘えの欲求がある人はそれを自覚すること。
自分がどう感じ、どう判断するかが重要だということです。