将来戦力

うちのようなベンチャー企業は、人、モノ、金という経営資源が限られているため、どうしても即戦力が必要で、おのずと経験のある中途採用がほとんどになります。そんなうちの会社も過去1度だけ計画新卒採用を行ったことがあります。ただその採用の年に業績が悪化してしまい、決断を迫られたときがあります。
現在の就職活動状況を考えると、大学3年のときにはおおよそ就職先が決まってしまうケースが多いと思いますが、このタイムスパンは業界の流れが速いところにおいては会社の規模にもよりますが、結構微妙なところがあります。
今まで私も人の採用をする際に何度か即戦力か将来戦力かで迷ったことがあります。例えば私が管理部長をしていた4年ほど前に管理スタッフを数名増員しなけ
ればならない時期がありました。当時の社長は即戦力を求めたのですが、私はあえて将来戦力を選択しました。具体的には一気に4名の若いスタッフの採用を行いました。新卒もしくは第2新卒者はポテンシャルが大きい反面、育てるまでに時間がかかりますし、管理者は教育やチェックに余計に時間が取られてしまいます。ただ、企業文化をつくりやすい、費用が抑えられるなどのプラス要素もあります。特にポテンシャルの高いスタッフをうまく育てると大きな戦力となるばかりか、以心伝心で余計なコミュニケーションコストがかからないという長所もあります。
私は、以前は自分の責任範囲の仕事については自分が首を突っ込まないと気が済まない性格で、若いスタッフの仕事をこと細かく指示、指導、監督していたのですが、あるとき、それが必要以上に長く続けてしまうと自発性が損なわれて成長が遅くなるということに気づき、そこからは打って変わって相談にはのるけれど、自分で判断してもらうようにしました。若いスタッフは最初は禁断症状を起こすのですが、少し経つと自分で決めざるを得ないために責任感が出てきて、頼もしくなってくるものです。それでも当然発展途上のときには、ミスは出てきてしまうのですが、同じミスを犯さないようにだけ注意をして、あとは上司が責任を取るという裏づけがあれば、自然と意識や精度が高まってきます。
最近も若いスタッフを何名か採用したのですが、さすがに私が手塩にかけて、ということはできないので、中堅社員にお任せしています。ただ、先日も新入社員が私に言えないことで悩んでいたようで、自分ではいつまでも社員に近いつもりでいたのですが、そうでもないことを再認識しました。
即戦力がいいのか、将来戦力がいいのか、というのは、ケースバイケースで、どれが正しいというのは一概に言えないような気がします。変な話、仲間意識が強
くなり過ぎてしまって、緊張感が無くなりつつあるときには、意図的に外の血を入れることもあるかも知れません。
うちの会社は今のところ計画新卒採用を行う予定はありませんが、将来のうちの会社を背負っていけるような吸収力のある若いスタッフは業容の拡大に応じて適
宜採用をしていくつもりです。
ちなみに、管理部長時代に採用をした4名のうち、結婚退職をした1名を除く3名は今や中堅社員となり、かかせない戦力として元気に働いてくれています。
また、冒頭の決断の結果採用をした新卒社員は2年目に入り、一人一人が頼もしくなって、少しずつ実績を出してくれています。